愛のカタチ
「手紙、ですか?」
とある昼下がりのことである。
「依頼かい?」
食堂、ゲムヲが黙ったまま差し出した手紙を受け取り、リンクは調理の手を止めて封を開く。マルスは隣から覗き込んで。
「これは……」
「ファンレター、かな」
誰に宛てた、誰からのものなのかは記述が無いので不明だが、その手紙には宛てた人物への愛が長々と綴られている。
「随分と好かれてますね」
二枚目。その内容に、はっと目を開く。
「……本当に」
パートナーを辞めろ。
一枚目とは異なり、繰り返し綴られた一文。狂ったように。忠告するように。
「これ、同一人物に宛てたのかな」
「どうでしょうか」
マルスが眉を顰めていると、ゲムヲはスケッチブックに文字を書いて見せてきた。
さすがのリンクもぎょっとした。
『まだ、沢山あるよ』