愛のカタチ
所変わって、ここは亜空間。
「うえー、マジ怠いんだけどー」
ふらふらになりながら部屋に入ってきたのはダークフォックスである。楕円形の睡眠用カプセルの蓋を開き、縁に腰掛けて。
「やってらんないっすわー」
「五月蝿いですね」
「てめ、サボっときながらさぁ」
それまで仮眠を取っていたのか、同室であるダークファルコはカプセルの蓋を開き、ダークフォックスを睨み付けて。
「ウルフと共同任務とかもうマジ勘弁」
「そうですか。おやすみなさい」
「ひっど」
ダークファルコがカプセルの蓋を閉めて尚、ダークフォックスは何やら愚痴を溢していたが、関係ない。ダークファルコは横たわってから携帯を開く。
「……へまをしましたね」
ぽつりと小さく呟く。
――あの男、彼の落とした携帯を拾ってたんですね。せっかく、あの不細工な形(なり)に化けてやったというのに。
それでも、幾つか写真が撮れましたし良しとしましょう。次は気を付けなくては。
気を付けなくては。
奪われる前に。
「ふふ……」
次に会えるのが楽しみになりました。
貴方もそうですよね? だから、今度は沢山愛でて差し上げますよ。……ルー君。
end.
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