愛のカタチ



所変わって、ここは亜空間。

「うえー、マジ怠いんだけどー」

ふらふらになりながら部屋に入ってきたのはダークフォックスである。楕円形の睡眠用カプセルの蓋を開き、縁に腰掛けて。

「やってらんないっすわー」
「五月蝿いですね」
「てめ、サボっときながらさぁ」

それまで仮眠を取っていたのか、同室であるダークファルコはカプセルの蓋を開き、ダークフォックスを睨み付けて。

「ウルフと共同任務とかもうマジ勘弁」
「そうですか。おやすみなさい」
「ひっど」

ダークファルコがカプセルの蓋を閉めて尚、ダークフォックスは何やら愚痴を溢していたが、関係ない。ダークファルコは横たわってから携帯を開く。

「……へまをしましたね」

ぽつりと小さく呟く。


――あの男、彼の落とした携帯を拾ってたんですね。せっかく、あの不細工な形(なり)に化けてやったというのに。

それでも、幾つか写真が撮れましたし良しとしましょう。次は気を付けなくては。


気を付けなくては。


奪われる前に。


「ふふ……」

次に会えるのが楽しみになりました。

貴方もそうですよね? だから、今度は沢山愛でて差し上げますよ。……ルー君。



end.
 
 
15/15ページ
スキ