愛のカタチ
「……ということなんだ」
犯人の男二人が警察に連行され、パトカーに乗り込む中、ルーティは二人が助けに入るまで、何があったかを説明して。
「粋なことをしやがる」
「まあな」
――カービィが倒れた直後、ルーティも何かを嗅がされて意識を奪われた。
気付いた時には拘束され、目隠しもされていたので抵抗は何一つ敵わず、男に服を脱がされかけたところでダークファルコが乱入、直後に二人が現れたというわけだ。
「部隊結成当初から目を付けてたとはな」
「まるで、どこぞの狐みたいだな」
「俺には理由があるだろ」
二人のやり取りに心を和ませられ、くすくすと笑うルーティ。今日だけはウルフも安心したように、頭を優しく撫でるのだ。
「次からは気を付けろよ」
「う、うん」
急に優しくされると、何だかなぁ……
「それと、こいつ」
「あっ」
ウルフは自分の上着の胸ポケットから携帯を取り出すと、ルーティに返して。
「これ……」
「もう一人の男が持っていた」
「えっ」
妙に長い沈黙の後。
「……あ、ありがとう」
腑に落ちない様子で、受け取った。