愛のカタチ



「騙されたんじゃねーだろうな」

拳銃を手に警戒し、慎重に歩を進めながらウルフが言う。まさかな、とフォックスが苦笑し、返そうとした――その時。

「っ、何だ? 今の音」

大きな物音が鳴り響いた。

奥の倉庫からだ。ウルフが顎でしゃくれば、フォックスは頷いて共に駆け出す。


「動くな!」

扉を開け放ち、拳銃を構える。

床にはぐるぐると目を回して伸びている男、そして壁に凭れるようにして床に座り込み、両手を後ろで拘束されていたのは――

「フォックス! ウルフ!」
「おや。随分と時間がかかりましたね」

ルーティだ。しかし、彼の目の前に跪いていたのはあのダークファルコである。

まさか、こいつ。

「待って! ダークファルコは助けてくれたんだ……だから、犯人じゃない」
「ルーティ」
「本当だから!」

必死に訴えるルーティに、フォックスとウルフはようやく銃を下ろして。
 
 
13/15ページ
スキ