愛のカタチ
「騙されたんじゃねーだろうな」
拳銃を手に警戒し、慎重に歩を進めながらウルフが言う。まさかな、とフォックスが苦笑し、返そうとした――その時。
「っ、何だ? 今の音」
大きな物音が鳴り響いた。
奥の倉庫からだ。ウルフが顎でしゃくれば、フォックスは頷いて共に駆け出す。
「動くな!」
扉を開け放ち、拳銃を構える。
床にはぐるぐると目を回して伸びている男、そして壁に凭れるようにして床に座り込み、両手を後ろで拘束されていたのは――
「フォックス! ウルフ!」
「おや。随分と時間がかかりましたね」
ルーティだ。しかし、彼の目の前に跪いていたのはあのダークファルコである。
まさか、こいつ。
「待って! ダークファルコは助けてくれたんだ……だから、犯人じゃない」
「ルーティ」
「本当だから!」
必死に訴えるルーティに、フォックスとウルフはようやく銃を下ろして。