愛のカタチ



しかし、関連性が無いわけではない。

ウルフは男の上着のポケットを勝手に弄ると、携帯を取り出して。携帯の種類や付いているストラップからして間違いなく、これはルーティの携帯である。

「てめえ、ルーティを何処にやった」
「け、警察? それは」

男は口を閉じて。

「……言わねえってか」

ウルフはふんと鼻を鳴らすと、銃口を男の額に宛がい、目を細めて。

「鉛玉は痛いだろうな」
「っわわ、分かった! 言う!」

……随分と強引だが、彼らしいと思う。


「今日はよく走るな」

男から場所を聞き出したところで駅員に身柄を預け、フォックスとウルフはとある古びた工場の前へ来ていた。

「っは、へばっちまったか?」
「まさか」

ウルフがからかうと、フォックスは笑って両開きの扉を開け放つ。そこに人の気配はなく、二人は顔を見合わせて。
 
 
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