愛のカタチ
突如、鳴り響いた銃声によってフォックスは目を開く。木霊したそいつの音はよく響き渡り、一般市民は声を上げ、騒ぎを聞き付けた駅員が数名、駆け寄ってきた。
「君達! 何をして」
「あの、俺達」
フォックスが慌てて説明している間に、ウルフはもう一発。銃口を向けた先にはコインロッカーがあり、今しがた撃ち込まれた銃弾により、鍵は壊れて。
コインロッカーの戸に手を掛け、ウルフは大きく開け放った。――そこには。
「……え」
駅員と同様、フォックスは声を洩らして。
そこにはルーティではなく、見知らぬ男が縄で縛られた上、目隠しと声を上げられないよう布を口に銜えさせられていた。
「どういうことだ?」
フォックスが後ろで首を傾げる中、ウルフはとりあえずその男の口から布を取り出して。男は息を吐き出し、安堵する。
「た、助かった……」