愛のカタチ
「フォックス、ストップ」
カービィが無線で伝えれば、フォックスは走る速度を緩め、ウルフを留めて。
「点が重なった。何かある?」
「えーと」
フォックスが目を向けた先には。
「……コインロッカー」
嫌な予感がした。
それらしい匂いはしないが、中に籠もっている可能性も……いや、自分は一体何を考えているんだ。そんなはずは。
「大きさは?」
「縦長の……普通のロッカーだよ」
「ばらばらになってたりして」
口を挟んだのはクレイジーである。
ぞっとしない話だ。本来ならあれやこれや騒いで無線機なんて勢いで壊し兼ねないが、そうじゃない。……フォックスは。
「フォックス?」
完全に青ざめてしまっていた。
立ち尽くす彼に溜め息を吐いて、ウルフはとあるコインロッカーに触れる。
平日だからか、鍵が掛かっているのはこいつだけ……つまり、当たりというわけだ。