子供じゃないもん!
……なんて馬鹿だったんだろう。
「おいおい」
この人たちの言う通りだ。
「分かってるって」
どんなに背伸びしたところで子供は子供。
本物の大人相手には誤魔化せない。無邪気で純真無垢、穢れこそ知らない。知っているつもりが知らなくて、疑うよりも先に深く深く信じ込んで期待して。
何を心浮き立っていたんだろう。
「はっ、気をつけろよ」
どんなに粧し込んだところで結局。
「大事な商品なんだから」
――結果は“その程度”なのに。
「っなんだ、」
直後に鉄製の扉が吹き飛ばされた。
不意打ちの異常事態になんだなんだと男たちが騒いでいる隙、舞い上がった煙の中から黒の雷撃が放たれる。それは華麗にビデオカメラを貫いて男に直撃すると他の男たちは声を上げて慌てた。もう既に逃げ腰の者、腰が抜けてしまった者……
「……悪いな」
そろそろ煙が晴れてくる頃、その青年は言った。
「そいつの関係者なんで」