大好きな君へ



「どんな人なんだ?」
「えっ」

森の中を歩いてる最中、不意にフォックスが訊ねれば先頭を歩いていたルーティは振り向いて。うーんと首を傾げてから、

「かっこいい、かな」
「自分より?」
「うん。僕よりずっと」

――確かに、ルーティは青年と呼べる歳なのに童顔だし、一言で言えば可愛いし。

「フォックス、勘違いしてねえか?」
「え、何が?」

ファルコが念のため訊ねてみると、やはり、そんな反応が返ってきた。放っとけ、とばかりにふんと鼻を鳴らすウルフ。

「勘違いって……」
「んなの、すぐに分かるだろうよ」

ファルコはその先に視線を送って。

「着いたみたいだな」


――森を抜けた先には、一面の向日葵畑が広がっていた。フォックスは目を開き、暫しその見覚えのある光景に見惚れた後で、「あっ」と小さく声を洩らす。
 
 
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