大好きな君へ
「って、ここ?」
間もなく、四人が辿り着いたのは森林都市メヌエルだった。ハッチを開き、フォックスはアーウィンから降りて。
「しかも俺達まで正装……」
相手はお嬢様なのか。フォックスはネクタイをきゅっと締めて襟を整えると、今まさにウルフェンのウィングから降りてきたルーティに視線を送って。
「ありがと、ウルフ」
ハッチを開いて出てきたウルフは、何故かその手に白い薔薇の花束を持っていて、さっとルーティに手渡すと懐から煙草を取り出し、火を点けた。
「成る程な」
ファルコは何やら悟ったらしくネクタイを緩める。ただ、フォックスだけは本当の意味を理解出来ず、ルーティの元へ。
「ルーティ……」
「へっ?」
「何事も自立してからだからな」
「え、あ……そう、だね」
疑問符を浮かべて困惑している様子のルーティに、フォックスは真面目顔。ファルコは頭を抱え、やれやれと溜め息を吐いて。