マスターに御用心!
「っ何」
ドンキーとユウは同時に声を洩らした。
そこにリムの姿が無かったのだ。焦る二人を目に、リンクはにやりと笑って。
「今です! あなをほる!」
ユウの足下の地面が盛り上がり、気付いた時には遅く、リムが飛び出すと同時に拳で顎を突き上げた。トレーナーの指示無しでは動けないこのゲーム、難易度は高い。
「っく」
空中で後転、離れて着地するが跪く。
「きあいだまや、ユウ!」
ノーマルには格闘タイプの技で。
構えようとするユウに、そうはさせないとリムは駆け出す。一方のリンク、何かを思い付いたのか口元に笑みを浮かべて。
「リム、のしかかり!」
えっ?
「なっ何言ってんのよ!」
しかしこれもポケモンの技。口ではそう言いながらも、リムはユウに飛びかかる。