マスターに御用心!
それを合図に、リムが駆け出した。
ユウは向かってくるリムを見据え、じっと構えている。リンクは腕を前に払って。
「メガトンパンチ!」
命令が下されるとリムの首輪が光り、一旦飛び上がって。腕を引き、拳を引きつつ落下。勢いに乗せて拳で殴りかかる。
「テレポート!」
ドンキーも負けじと技名を叫ぶ。
拳が触れる直前、ユウの体はその場から掻き消すように消えた。そのまま、リムは地面を殴り付け、その衝撃で地面は抉れ、砂埃が舞い上がって。
「わぁお。さっすが、強いねぇ」
実況のクレイジーは楽しそうに。
「ところで、ミュウツーって本当はテレポート覚えないんだよ。知ってた?」
「スマブラ仕様だな」
「お前ら何処まで知ってんだ……」
さすがは神様。
立ち込める砂埃の中、ユウは無言で構える。やがてじわじわと砂埃は晴れていき――