マスターに御用心!



それを合図に、リムが駆け出した。

ユウは向かってくるリムを見据え、じっと構えている。リンクは腕を前に払って。

「メガトンパンチ!」

命令が下されるとリムの首輪が光り、一旦飛び上がって。腕を引き、拳を引きつつ落下。勢いに乗せて拳で殴りかかる。

「テレポート!」

ドンキーも負けじと技名を叫ぶ。

拳が触れる直前、ユウの体はその場から掻き消すように消えた。そのまま、リムは地面を殴り付け、その衝撃で地面は抉れ、砂埃が舞い上がって。

「わぁお。さっすが、強いねぇ」

実況のクレイジーは楽しそうに。

「ところで、ミュウツーって本当はテレポート覚えないんだよ。知ってた?」
「スマブラ仕様だな」
「お前ら何処まで知ってんだ……」

さすがは神様。

立ち込める砂埃の中、ユウは無言で構える。やがてじわじわと砂埃は晴れていき――
 
 
6/23ページ
スキ