マスターに御用心!
「負けられませんね」
「そうかしら」
気合いの入っているリンクを尻目に、線を引かれたコート、即ちバトルフィールドに足を踏み入れるリム。
「あっちはノーマルやな……んでこっちはエスパー、と。何や、相性普通やん」
マニュアルを手にぶつぶつと呟くドンキーを差し置いて、ユウもバトルフィールドに足を踏み入れる。と、双方の首輪が白い光を灯して。クレイジーはにやり。
「バトルはトーナメント方式。勝たなきゃ次には進めない。もちろん、時間制限は無いからどちらかが倒れない限り……」
成る程。戦いは避けられない、か。
リムとユウは息を呑んで互いに睨み合い、構える。戦闘経験を積んだ、共にレベルの高い戦いだ。これは長くなる。
――誰もがそう思っていた。
「それじゃあ第一回戦!」
審判のマリオがホイッスルを鳴らして。
「始めっ!」