マスターに御用心!



ネロの台詞を遮る、この声は。

「ふん……お待たせしたな、諸君」
「スピカ?」
「ちっ違う! 漆黒の電光、カスピだ!」

黒の仮面を目を覆い隠すように掛け、黒のマントを羽織った金髪のこの少年……声からして明らかにスピカである。

「優勝商品のマスターボールは俺と、」
「自由の翼、ブラック」
「わー!」

そしてスピカの傍ら、トレーナー役を買わされたのは明らかにブラックピット。

「違う! ブラピだ!」
「ブラピって言うな!」

必死に言い訳するスピカだったが、寧ろそっちが正式名称のようなものである。

とはいえ、どうしたものか。

「勘違いすんなよ! マスターボールでピチカを捕まえ、誰のものにもならないように従わせ、監禁しようなんてそんな」
「す、スピカ? もうそれ、シスコンの域を越えてるからね?」

頬を赤らめ、顔を背けては否定するスピカだが、言ってることは物騒である。
 
 
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