マスターに御用心!
驚愕したのはオリマーの方で。
「何、だと……」
「私は元々知っていたのだけど」
どうやらシフォン、分かっていても第一にトレーナーの命令に従わなければならなかった為、口出し出来なかったようだ。
「よーし! 切り返すよっ!」
「えっ」
「いちいち嫌そうな顔しないでくれる?」
リオンが渋々駆け出すと、シフォンはすかさず警戒心を高め、構えて。
「っ構うものか、はっぱカッター!」
「フェイント!」
オリマーの命令によりシフォンは片手を翳したが、リオンは地面を蹴り、高く飛び上がって背後に着地。シフォンが振り向くのとタイミングを合わせて回り込み、
「ブレイズキック!」
炎をまとった足でシフォンを回し蹴り。
「シフォン!」
「ありゃ効果抜群だねぇ」
へらへらと笑いながら、クレイジー。
蹴り飛ばされたシフォンは地面を転がって、砂埃が舞い上がったが、やがて晴れると。……ぐるぐると目を回していて。