可愛いは正義!?
「で、俺様ン所に来たと」
「はい」
ここはルーティとウルフの部屋。
といっても部屋にいるのは兎と狼だけという、端から見れば最も危険な状況。
「んなの知るかよ……」
「ですよねー」
一方のスピカは先に行っててくれ、と未だ部屋には入ってこず。このまま二人というのも気まずいので、ルーティは。
「スピカぁー?」
扉を開き、ひょいと顔を出してみる。
「駄目じゃないですか!」
突然の大声にびっくりした。
見れば、そこにはダークウルフ。勝手に飛び出したスピカを連れ戻しに来たらしい。
「全く。捜したんですよ」
ダークウルフは腰にそれぞれ手を当てながらスピカを見つめて。とはいえ、今の彼は可愛いメイドさん。思わず、目を逸らす。
「……帰りましょう」
ダークウルフが背を向けたその時、スピカはすかさず服の裾を掴み、止めて。