こっち向いて男子!



そこではローナが背中を向けて前屈みになり、歩き回ったお陰でずり落ちてしまった白のニーハイを膝上まで一生懸命引っ張り上げていた。

この時、スカートが短いが故にメタナイトは見てしまったのだ。彼女の――

「見られてたよ、ローナ」

通りかかったナナが視線に気付いて声をかける。

「うん?」

ローナは振り返って。

目と目が合う――そんなフレーズがメタナイトの頭の中で流れる中、ローナは恥じる様子もなく堂々と接近してきた。にこりと笑って、口を開く。

「やあやあメタナイトくん。ローナちゃんのパンツは何色だったんだい?」

ぼふんっ、と頭の天辺から湯気が上がった。

「答えてみたまえ!」

果たして悪気があるのか、ないのか。いや、どちらにせよたちが悪い。

隣のカービィはにこにこしながら見守っているし、でもだからといって答える必要はなかったのだ。が、メタナイトは仮面の下で目を逸らしながら口を開く。

「し、し……」
「白地に水色ストライプ!」

結局カービィが遮るように答えれば、ローナはふふんと笑って。

「――大正解!」

ばっとスカートを捲り上げた。

「こーんなところまでしっかり見ちゃって。変態さんめっ」

……ああ。

「ほぅら感想はないのかね、感想は!」


眩む。


「……メタナイト、血ぃ出てる」

仮面の下部から垂れる赤の液体を目にカービィ、ぽつり。
 
 
8/13ページ
スキ