こっち向いて男子!



スカートが短い。短すぎる。

何故だろう。男たちがふざけてやる程度にはそれほど気にならなかったはずなのに、これをまた女子が同じことをすると危なっかしいというか。

「あ、あの」
「はいっ!?」 

思わず視線がいってしまう。リンクは肩も心臓も跳ねさせた。

「もしかして……その、変ですか?」

普段は長いスカートと白のストッキングによって包み隠されていたが、今日だけはその本来のすらりと伸びた白く際立つ美脚を曝け出している。

「い、いえ……」

成る程、それで白のハイソか。……悪くない選択だ。

「何をでれでれとしている」

はっ。

「してません、人を変態みたいに言わないでください」

同席していたのはガノンドロフだった。全く、他の席に座ればいいものを何故こんな形でトライフォースの伝承者たちが集結しなくてはならないのか。

「久方ぶりの女では動悸もおさまらないか、童貞勇者」
「聞き捨てならないですねぇ、人間の男は本能に忠実なだけですよ」
「ほう。怒りに任せて剣を向けるか煩わしい」
「そこに魔王がいれば当然でしょうこれは勇者の本能です」

いつの間にか双方が剣を抜いて押し合う事態に。

「封印を施されたくなければさっさと立ち退いていただけますか?」
「くくっ、姫のあられもない姿が魔王の目に侵されるのは気に食わないか」
「それもありますが貴方の存在自身目に毒です、失明してしまいます」
 
 
4/13ページ
スキ