春先の温もりは



出やがったな、ルーティ大好き二号。

ちなみに一号はフォックス。と、これはどうでもいいとして彼女を部屋に行かせるわけにはいかない。既に朝食を済ませたらしいピチカはすぐにでも向かおうとするも、

「待て」

ウルフが首後ろの襟を掴み引き止めて。

「なっ何でさぁ!」

首が絞まってしまわないようすぐに解放してやると、ピチカは振り返り、襟を直しながら不服そうに唇を尖らせて。

こいつも、風邪を引いて寝込んでいるルーティを見ればあれこれと騒ぎだすに違いない。実の兄よりルーティを好いているし。

「ねえってば! 理由っ!」

どうして子供というのは物事にいちいち理由を求めるのか。詰め寄るピチカに溜め息を吐き出して、顔を背けながら。

「散らかってるからに決まってんだろ」

自分は部屋にエロ本隠してる男子中学生か何かか。我ながら似合わない返しだ。
 
 
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