春先の温もりは



「ルーティの調子はどーお?」
「誰が教えるか」

此方の正面に回って両手を後ろで組みながら訊ねるカービィだったが、ふいと顔を背けて拒否。するとカービィはつまらなそうに、顔を覗き込むのをやめて。

「ルーティのエロ顔、見たかったなぁ」
「病人に何をするつもりだ」
「何って。ほら、汗をかいた方が」
「カァァビィィィ!?」

案の定、フォックスがカービィの後ろから首に腕を回して、締め付ける攻撃。

「ぐ、じっ、冗談……っ!」

阿呆は放っておこう。小さく溜め息を吐き出して、歩き出す。目指すは食堂。

「たまには頼ってくださいよ」

すると隣に並んだリンク、微笑して。


「“仲間”なんですから」


春先の温もり。

桜が咲く前には風邪くらい治しとけよ。


「粥。作り方を教えろ」
「いくら払います? 体でもいいですよ」

……春、か。



end.
 
 
15/15ページ
スキ