春先の温もりは
「ルーティの調子はどーお?」
「誰が教えるか」
此方の正面に回って両手を後ろで組みながら訊ねるカービィだったが、ふいと顔を背けて拒否。するとカービィはつまらなそうに、顔を覗き込むのをやめて。
「ルーティのエロ顔、見たかったなぁ」
「病人に何をするつもりだ」
「何って。ほら、汗をかいた方が」
「カァァビィィィ!?」
案の定、フォックスがカービィの後ろから首に腕を回して、締め付ける攻撃。
「ぐ、じっ、冗談……っ!」
阿呆は放っておこう。小さく溜め息を吐き出して、歩き出す。目指すは食堂。
「たまには頼ってくださいよ」
すると隣に並んだリンク、微笑して。
「“仲間”なんですから」
春先の温もり。
桜が咲く前には風邪くらい治しとけよ。
「粥。作り方を教えろ」
「いくら払います? 体でもいいですよ」
……春、か。
end.
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