春先の温もりは
部屋を出てすぐ、扉に寄りかかる。
言われ慣れないその単語に、全身がくすぐったい。それでも、悪い気はしなくて。
「随分と信用がないんだな」
はっと右を見てみれば、頭の後ろで両手を組んで壁に寄りかかるマリオの姿。
「一括りにしないでいただけます?」
その隣には、リンクの姿も。
「ふふ、参考にはなったでしょ」
左を見てみれば、腕を組んで壁に寄りかかるカービィと、その隣にはフォックス。
「……水臭いじゃないか、ウルフ」
そう。彼ら四人は気付いていたのだ。
それでいて口出ししようとしなかったのは、眺めている方が面白いと踏んだからだろう。相変わらず、小癪な奴らだ。
「相談すりゃ薬くらい作るのに」
「その顔で信用出来るか」
「もういっぺん言ってみろ」
愛用のハリセンを手に黒いオーラを放つマリオを、すかさずリンクが宥める。