春先の温もりは



脱衣場にある洗濯機の中にパジャマを放り込み、さっさと部屋に戻ろうとした時ある物が目に入る。……タオルケット。

こいつを水に浸して絞ってから額に乗せてやれば熱も早く下がるのでは。そうと決まれば、桶を手に入れるべく浴場の中へ。

「あー! 変態だぁー!」

予想はしていたが、いたのかよ。

ちょうど湯船に浸かっていたローナが声を上げて指差し、変態コール。隣にはレッドも浸かっており、やめなよと宥める。

「ローナ。響くわ」
「静かにしろ、って誰が来たんだ?」

極度の水恐怖症故に目隠しをしているネロと、そんな彼の髪を洗ってやっているシフォン。……仲良いな。混浴かよ。

「何をしに来たのかしら。覗き?」
「んな趣味の悪いことするか」

訊ねるシフォンに誤解を生んでしまわないよう答えて、桶を手にしては水を浸していく。半分ほど、水が溜まったところで。
 
 
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