春先の温もりは
「後は自分で出来るだろ」
さすがに、下を着替えさせてやるのは理性を保てる気がしない。頷くルーティにズボンを手渡して、顔を背けつつ待機。
……それでも何となくちら見。べっ別にいいだろ。そもそも自分はパートナーだぞ。
着替えが終わったのか、律儀にもパジャマを畳もうとするルーティ。どうせ洗濯に出すからいいんだよ、と取り上げると。
奴は振り返ってきた。
上目遣いで。
「く……っ」
しかも盲点だった。自分のワイシャツが大きいせいで、この角度からだと下は何も穿いてないように見える。扇情的だ。
「……ウルフ?」
やめろ。首を傾げんな。
欲情に駈られない内にとベッドから下りて、パジャマを手に扉へ向かうと、一言。
「……洗濯に出してくる」
そう告げて、部屋を後にした。