狼の休日



「全く」

リオンが洗面所に行っている間、リンクとユウは廊下で待つことに。

狼の姿だというのに律儀にお座りの姿勢で待機するリンクを、ユウは腕を組みつつ横目で見つめていたが不意に屈み込んで。

「……お前、いいこだな」

すっと伸びた手が優しく頭を撫でた。

そういえば、彼は自分の正体がリンクであることに気付いてないらしい。

「お手」

……本当に。

手を差し出されると応えずにはいられなかった。つまりは反射的に前足を乗せて。

「ん」

くすっと笑った。デレの瞬間である。

「……やっぱり犬は可愛いな」

そして、連鎖。

「あいつも、少しは抑制してくれればいいのにな。いつになったら気付くのか」

嫉妬ですか。嫉妬なんですかにやにや。

これは面白くなってきた。こうなったら元の姿に戻るまで、徹底して遊びますか……
 
 
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