狼の休日



「知らなかったようだな」
「だから説明しろと」
「私がガノリン推しだということを!」


拳骨。


「説明しろ」
「ああっ、冷ややかな瞳……!」

リオンは腰をくねらせて。

「……その、リンク殿を狼の姿にした犯人はガノンドロフ殿だったらしいな」

たん瘤に銃口を突き付けられ、おとなしく真実を語るリオン。ウルフは銃を下ろすと、改めて室内を覗き込んで。

「目的が読めないな」
「こうなるのが目的だったのでは?」

リオンはくすっと笑って。

……確かに、料理だの洗濯だのと休む暇がなかったリンクが、今は。遊び疲れたのだろう、すっかり眠りこけてしまっている。

「らしくないことをしやがる」
「よいではないか。……たまには」


こんな休日があっても。


「でも、何であんな中途半端に」
「それは、多分」

暫く眺めていると、ガノンドロフはリンクの尻尾に触れ、根本をぐっと握って。

「ひぎっ!?」

あれは痛い。

「主従プレイだな……!」
「こっちが目的だったんじゃねえのか」

やはり魔王。侮れない。



end.
 
 
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