狼の休日



咬み殺す。どっかで聞いたことあるフレーズだろうが、知ったこっちゃねえ。

「ちっ。あのクソ狼、何処に」
「ウルフ殿!」

声も出なかった。

次の瞬間、死角から飛び出してきたリオンにウルフは押し倒されていた。感嘆符と疑問符が同時に飛び交う中、腰に跨がったそいつは恍惚とした笑みを浮かべて。

「さ、さあ……是非、私と主従プレイを」
「くたばれ」

何故かリードまで取り出してきたので、ウルフはすかさずリオンを押し退けた。

ついでに蹴りも食らわせて。

「従者側が不服なら逆でも」
「そういう意味じゃない」

ウルフは立ち上がり、こいつが何処から飛び出したものかと見回して。すると、早くも復活したリオンが腕に抱き付いてきた。

「離れろ、鬱陶しい」
「そう言わずに。……此方へ」
 
 
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