とある男子の恋愛事情



「リーダー、タオルを」
「おう」

遅れてバトルルームから出てきたダークウルフが、スピカにタオルを手渡す。

「何かさ、ダークウルフって執事みたいだよね。何だっけ……あれだ、黒しつ」
「お兄さんっ!」

ルーティの台詞を遮るようにして駆け寄ってきたディディーとトゥーンが声を揃え、じっとスピカを見つめる。

スピカは受け取ったタオルで汗を拭いながら、いきなり何なんだと眉を顰めて。

「体力を削られ、攻め寄られようとも決して背中を見せようとしないその勇姿!」

ぐっと拳を握るトゥーン。

「圧倒的な力の差を見せ付けられながら立ち退かない闘志に、俺達は!」

二人はずいとスピカに詰め寄ると。

「惚れました!」

再び、声を揃える。

ルーティとスピカの二人は案の定目を丸くしていたが、ダークウルフだけはその台詞に目を細めて。瞳が、鋭く変わった。
 
 
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