とある男子の恋愛事情



結婚を宣言するにはまだ早いし、付き合おうとすればもれなく地獄逝きツアーチケット強制配布。……ならば、どうするか。

「なるべく勘に障らないように配慮した結果、一つの結論へと辿り着いた……」

ディディーは大きく息を吸って。

「つまり、俺達は!」

かっと目を開き。


「結婚を前提にしたお付き合いを前提に、ピチカを好きだということを兄のスピカに表明しなければならないんだああっ!」


な、何か知らないけど。

「おお……っ」

今こいつが凄くまともなことを言って、それでいて誰よりも輝いて見える気がする!

「今こそ休戦協定を結ぶ時だ!」
「休戦しっぱなしだけどな!」

ディディーが差し出した手をがっちりと掴み、共にまずはその壁を乗り越えることを誓い合う。その時、大声に気付いたピチカが草むらをひょいと覗き込んで。

「あーっ! 二人共、みーっけ!」

……かくれんぼ中なのすっかり忘れてた。
 
 
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