偽物じゃなくて



「そりゃ、創造主があいつだからな」

ダークリンクはコーヒーを口にしながら。

「あいつは自分の目的の為に無感情になれと教えてきた。が、リーダーは違ったろ」

半分ほど飲み干したところで、カップを小皿の上に戻す。ダークウルフは箸で焼き魚の骨を取りながら、聞いていて。

「戦闘能力に拘らず、ただ本当の人間のように扱ってきた。人型兵器だった俺達に、まともな感情を教えてくれたのは――」

ダークリンクの言葉が切れる。

ふと背後から視線を感じて、ダークウルフは振り返った。そこにいたのは、明らかに機嫌が悪そうなスピカで。

無論、彼は低血圧、とかではなく。


「起きたら起こせ!」


最近はこの怒鳴り声が食堂の名物だな。

起こせ、と言われても。触ろうにも心臓が五月蝿くて、どうにもならないのだが。
 
 
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