偽物じゃなくて
俺が、リーダーに……恋?
「だっだが」
「自分が戦闘の為に造り出された兵器だからって、そういうの無いと思った?」
ずばり。
ダークフォックスに言い当てられて、ダークウルフは口を閉じる。さっきから食事が進まなくて、朝食も冷めている。
「兵器兵器っつってっけど、所詮は例え」
ダークフォックスはにやり。
「俺達、人間なんだよ。結局は」
まさかそんな台詞が返ってくるとは。
しかもダークフォックスの口から……ダークウルフは暫く黙っていたが、朝食の味噌汁をぐいと一気に飲み干してしまうと。
「……初めは、無感情だっただろ」
ぽつり、呟く。
より完璧な強さを目指して。
数えきれないほどの戦闘を繰り返し、鮮血を浴び、この足にすがる人間を見てきた。
非情に。冷酷に。命乞いをする人間さえ余すところなく、この手で葬ってきた。
自分が、本物以上の偽物である為に――