せんせい!
「生意気な餓鬼だ。見下してやれ」
発言に関しては首を捻るものがあるが、ガノンドロフが長身なだけに男の子は違った視点で色々と見渡せて、発言を気にすることもなく楽しんでいるようで。
「えへへ……」
「いーなー」
典型的な餓鬼だな、とウルフは思う。
別に玩具に飽きたわけではないだろうが、見上げてくる男の子に肩車された側の男の子はぎゅうとガノンドロフにしがみついて。ガノンドロフはふんと鼻を鳴らし。
「順番だ」
全く、魔王の癖に格好付けやがる。
なんて思っていると、遠くで一人本を読む男の子を見つけた。周りはそれぞれ遊んでいるというのに、彼はぽつんと孤立して。
「――本なんていつでも読めるだろ」
気になって、話しかけた。
そもそも今日一日は保育士なんだし、話しかける権利が無いわけではないが。
「……おい」
って無視かよこの餓鬼。