せんせい!
「それは貴様のものなのか」
「う、うん」
ガノンドロフが訊ねると、男の子は思わずウルフの後ろに隠れてしまいながら、小さく頷いて。ガノンドロフは手を差し出し、
「貸してやれ」
男の子は初めこそ渋っていたが、やがて諦めたのか玩具をガノンドロフに渡して。
おいおい、握り潰すなよと突っ込みを入れる間もなくガノンドロフは最初の男の子に手渡す。全く、素直にありがとうと言えばいいものの、この男の子ときたら。
「へへ……」
玩具を受け取った瞬間、べえっと赤い舌を出して。……くそ、やられた。嘘泣きか。
「ぅ」
しかもこいつはまた泣きそうだし。
ああもう、面倒くせえな。積みゲーじゃねえか、なんて考えているとガノンドロフはその男の子の元へ黙ったまま歩み寄り。
「わっ――」
ひょいと抱き上げ、肩車。