せんせい!
「うわぁああん!」
突如教室に響き渡る泣き声。
振り向けば、どうやら玩具を取られてしまったらしい男の子が泣いていた。向かい側の男の子は素知らぬ振りで、その場に屈み込んで玩具で遊んでいる。
「ウルフ。出番だぞ」
「専門家じゃねえ」
「子供の扱いは慣れているだろう」
「てめえに言われたかねえ」
ったく、どいつもこいつも。
口々にこの場をウルフに任せようとするデデデとクッパに、ウルフは頭の後ろを乱雑に掻いて。あーくそ、面倒くせえ。
「……おい」
こいつは取られて泣いてんだろ。
だったら簡単だ。ウルフは取った玩具で遊ぶ男の子の前に屈み込み、まずは声をかける。手を止め、顔を上げたが刹那。
「なぁに人のモン取ってんだ。餓鬼」
ガツッ、と一発。頭に拳骨。