せんせい!



もう。何で意地悪ばっかりするのかな。

「はあっ……はあっ……」

閉じ込められていたルーティは何とか脱出に成功し、保育園へと向かっていた。

ブーツを脱ぎ捨て、駆け足で教室へ向かう。信用してないわけじゃないが、きっと泣かせたり怖がらせたりしてるに違いない。

X部隊の信頼性は下げたくない――そんな思いも含めて、教室に飛び込んだ。


「……あれ」

小さく声を洩らすルーティ。

耳に届いたのは驚くほど静かで、安らかな寝息。視界に飛び込んできた光景は微笑ましい、幼児と悪役が添い寝する姿。

なぁんだ。心配して損しちゃったかな。

寄り添って眠るウルフと男の子の元へ向かい、ルーティは布団を掛けてやる。

「お疲れ様。……先生」

両膝に手を付き、少し屈んでそっと声をかけるルーティに反応を示して、ウルフの狼耳がくすぐったそうに、小さく震えた。


――その頃。

「やっぱりこういうオチか」

今回、おふざけが過ぎた四人はコスプレ姿のまま、公園の木にルーティによって縄で縛り付けられ、見世物にされていた。



end.
 
 
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