せんせい!
「っうわ!」
と、フォックスがウルフの蹴りをギリギリで躱したその時、マントから拳銃が落っこちて。慌てて手を伸ばすも、そうはさせるかとウルフが足で蹴って弾く。
拳銃はくるくると回転しながら床を滑って、あろうことか幼児達の足下へ。
「なにこれぇー」
子供というのは好奇心旺盛だ。物の使い方が分からなくても、それが初めて見るような物なら何でも手に取ってしまう。
「っば、馬鹿!」
気付いたマリオが声を上げると、ウルフは振り返って。いつの間にか男の子が拳銃を取り合っており、見るからに危ない。
「はなせって!」
「そっちがはなせよぉ!」
その時、最初に本を読んでいた男の子が間に割って入り、拳銃を取り上げた。
が、指が引き金に――
パンッ
間もなく、室内に銃声が鳴り響いた。