恋愛ナルシスト
……あんな仕事、こなしたところで。
どうせ追いかけてくるだろうな。報告書で遊んだから。
絶対に見つかってやるもんか、何を言われるかは知れてるんだ。パックマンは何故か内心意固地にあなりながらエレベーターから下りると、普段滅多に立ち寄らない資料室へと足を進めた。プレートを見上げ、ドアノブに手を伸ばす。
音もなく、扉は静かに閉まった。此処なら見つからないはず、とまで考えて。
……何を隠れる必要があるんだか。
そんなの、いつもみたいに軽薄な態度と茶化すような言動でのらりくらりと躱してしまえばいいじゃないか。さっきのことだってそう、マークと話していたからって気にせず部屋に入るべきだった。いつもそうしてたじゃんか。
気持ちは嬉しいが――
「嘘つき」
本当は迷惑だったんだろ。オレとは部隊隊員以上の関係は見込めない。
……そう言いたかったんだろ。
「あーあ」
胸が苦しいや。
ムカつく。なんでこんなにボロボロになってるんだろう――