恋愛ナルシスト
……そうだった。
こいつ、ナルシストだっけ。
「あーもう憎い腹立つ、靴下の裏表間違えて履けばいいのに」
地味な怨念だ。
「此処にいたのか」
ぎくりと肩を跳ねたのはどちらかといえば同席していたミカゲの方で。
「た、隊長」
話を聞いていただけだというのにこの気まずさ。何て言ったってパックマンが告白したのはつい数分前のことだ。さっきの今でよくもまあ、平然と。
「ついさっき上層部から任務が下された。すまないが」
パックマンはふいと顔を背けて。
「お生憎様、この後予定入ってるんで」
「ミカゲ」
眼中なしかよ!
「せ、拙者で御座ったか」
荒々しく立ち上がるパックマンを差し置いてロックマン。
「任務の詳細は以下の通りだ。期限は三日……」
……ムカつく。
食堂を背に足を止めてパックマンはぎりっと奥歯を噛み締める。
「オレの方が仕事なんかよりずっと魅力があるのに――」