恋愛ナルシスト
ロック隊長、とは『フォーエス部隊』を指揮するリーダー、ロックマンのこと。
これがまた酷い堅物で思考や行動は一に正義と二に仕事。仲間は? と聞けば曰く「一も二もない、常に共にある」とか何とかで第一印象は絶対こいつブラック企業を仕切る社長の方が向いてるだろといった良くも悪くも尊敬に値する人。
「別に? 告白くらい誰にだって出来るじゃん」
「成功したなら未だしも。振られたんだろ?」
気まずいんじゃないかと聞けば。
「だって別に好きじゃないし」
本気で恋愛できるような相手じゃない。そんなの、最終的に「仕事と私、どっちが大切なの!?」とよくある修羅場と化すのが目に見えている。
ま、恋愛シミュレーションゲームなら攻略対象外ってところだな。
「どうでもいいならどうしてそうも仏頂面なんだ」
マックが聞いた。
「……オレってさ」
相槌。
「非の打ち所がないじゃん」
拍子抜け。
「家事全般は基本的に熟せるし、服も流行のもの着こなしてる。対話術だって常に最新の情報仕入れてるから話題に尽きることないし」
パックマンはぺらぺらと。
「いわゆる中性的な顔立ちでかっこよくも可愛くもあるわけじゃん。加えて小柄だから大人も子供も問わず親しみやすいし何と言っても極め付けはこの部隊切ってのムードメーカー。そのパックマンがだよ? わざわざ告白してやったんだよ?」
絶対、好きだと思ってた。それなのに振られるなんて……!
「納得いかないに決まってんだろ」