恋愛ナルシスト




例えばこう、視線とかさ。態度や接し方、色々あるじゃん。

こいつ絶対オレのこと好きじゃね? みたいな。そういうのが分かると調子に乗りたくなるじゃん。恋の駆け引き、恋をされた側の娯楽というか。


「――は?」

高圧的な態度で促したつもりだった。

「気持ちは嬉しいが生憎のところ恋愛というものに興味がない」

……けれどまあ。

「そもそもの話が男同士じゃないか」

詰まる所が。

「他を当たってくれ」


振られたわけで。


「超っっ有り得ないんですけど?」 

此処は司令塔三階にある食堂。

「なんで振られなきゃいけないわけ?」

真っ昼間から不機嫌なのはパックマンである。

「お前、本当に告白したのか」

マックは目を丸くして。

「当たり前じゃん」

そう答えるパックマンには本来片想いの相手に想いの内を打ち明けるという胸ときめくものや結果として砕け、しくしくと机を濡らすようなセンチメンタルな一面が一切見られなかった。というのも彼、冒頭の通り相手を買い被り告白しただけ。

「……いやぁ、それにしても凄いで御座る」

向かいのミカゲは讃えているようで引き笑いに似たものを浮かべながら。

「まさか本当にあのロック隊長に告白するなんて――」
 
 
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