恋のライバル



「なっ、な、何だよ」
「も……文句あるのかっ、女のくせに」

喧嘩での気迫は何処へやら、ディディーとトゥーンは妙におどおどとしながら共に肩を並べて、ピチカと向き合い。

「仲間だから喧嘩しちゃ駄目なのっ!」

すると踏み出したピチカ、ディディーの右手とトゥーンの左手をそれぞれ掴み、お互いほぼ無理矢理握手をさせて。

「なっ」
「ね? これでちゃんと、仲直り」

ピチカは無邪気に笑って。

「仲良くして、皆で遊ぼっ?」


きゅんっ


ディディーとトゥーンはおとなしく握手をしたまま、顔が真っ赤に染まって。

「な、仲良くすりゃいいんだろ」
「たっ……たく。しょーがねぇなあ」

明らかに目が泳いでいる二人。

「……解決したみたいです」
「何よそれ」
「はあ。青春やなぁ」


――これは、小さな恋の物語。



end.
 
 
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