おにゃのこ祭



「雛祭りは女の子だけのお祭りなのでぇ、男の子は出られませーん!」

元気よくローナが続けるが、とんでもないことになってしまった。……つまり。

今日は雛祭り。女の子だけのお祭りなので、男は参加不可。こうして閉じ込めたということは、今日一日閉じ籠もっていろと。

「やられたな」

ウルフは頭を抱えて呟くと、ベッドの縁に腰掛けて。とはいえ、飯も食わずに四日になるまで待機するのはちょっと。

「せっかく晴れてんだぜー!?」
「ピチカー! 出せー!」

ディディーとトゥーンが口々に訴えるも、

「うーんと。ごっごめんね?」

ピチカは苦笑。

となれば、ピーチだ。何か条件を出すに違いない、誰もが息を呑んで構えた。

「……察しがいいわね」

ピーチは笑って。

「部屋の扉の下に紙袋があるはずよ。その中の服、どっちが着るかを決めなさい」

ちょうど扉の前にいたルーティは、その紙袋にすぐ気付いて手に取ると、ウルフの隣に腰掛け、一緒になって中身を覗いた。
 
 
2/7ページ
スキ