戦隊ごっこ
ピチカとトゥーンが口々に叫ぶ中、余韻に浸っていたマリオはようやく落ち着いたのか、まずはネスに歩み寄ると。
「あっ」
ひょいと愛用のハリセンを取り返して。
途端にニヤリと不適な笑みを浮かべれば、一人残され構えるディディーをゆっくりと振り返っては視界に捉え、踏み出す。
「お礼を言わなくちゃなぁ……?」
他四人が捕らえられているという、絶対絶命の大ピンチ。ディディーは更に後退り。
「こういう遊び、よくしたっけなぁ」
ただの拘束役でしかないが、ロイはそれなりに楽しんでいるらしく、寧ろ昔を思い出して思わず、小さく笑みを溢し。
「僕はしたことないけど」
「ゆとり王子は黙ってろ。な、アイク?」
笑顔で応えるマルスにすかさずツッコミを返して、同意を得ようとアイクを見遣る。
……が。
「アイク?」
「ロイ。彼、寝てるよ」
肝心のアイクは立ったまま、目を開いて寝ていた。ちょっと奇妙な光景である。