戦隊ごっこ



ピチカとトゥーンが口々に叫ぶ中、余韻に浸っていたマリオはようやく落ち着いたのか、まずはネスに歩み寄ると。

「あっ」

ひょいと愛用のハリセンを取り返して。

途端にニヤリと不適な笑みを浮かべれば、一人残され構えるディディーをゆっくりと振り返っては視界に捉え、踏み出す。

「お礼を言わなくちゃなぁ……?」

他四人が捕らえられているという、絶対絶命の大ピンチ。ディディーは更に後退り。

「こういう遊び、よくしたっけなぁ」

ただの拘束役でしかないが、ロイはそれなりに楽しんでいるらしく、寧ろ昔を思い出して思わず、小さく笑みを溢し。

「僕はしたことないけど」
「ゆとり王子は黙ってろ。な、アイク?」

笑顔で応えるマルスにすかさずツッコミを返して、同意を得ようとアイクを見遣る。

……が。

「アイク?」
「ロイ。彼、寝てるよ」

肝心のアイクは立ったまま、目を開いて寝ていた。ちょっと奇妙な光景である。
 
 
8/10ページ
スキ