戦隊ごっこ



大声で技名(?)を叫び、次の瞬間、ディディーはマリオの脇腹を擽り始めて。

「ぎゃははははっ! ちょ、やめ……!」

途端にゲラゲラと笑いながら手足をじたばたとさせるマリオ。しかしディディーは脇腹を擽り続け、止める気配は無く。

見兼ねたルイージは駆け寄ると、傍で黙って見ていたリュカの肩をそっと叩いて。

「ひゃ」

びくっと大袈裟に肩を跳ねさせては振り返り、後退するリュカ。そんなに驚かなくても、とルイージは苦笑しながら。

「こっちの負けは確定だから、やめてあげて。兄さん、このままだと死んじゃ」
「わ……わ、こっ声だけが……聞こえる」

リュカはキョロキョロと辺りを見回して。

……そう。この戦隊ごっこの中でルイージは敵役の透明人間。だからこそ、リュカはわざと見えないふりをしているわけで。

そのことにようやく気付いたルイージは、暫く押し黙って考え事をしていたが。

不意にニヤリと笑うと。
 
 
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