戦隊ごっこ
しかしこれは作戦。
咄嗟にトゥーンは右に、ピチカは左に飛び込むようにしてハリセンによる一撃を躱すと、踵を返し、マリオの右腕をピチカが、左腕をトゥーンがそれぞれ捕らえて。
「は、な、せ!」
もがくマリオを二人が必死に取り押さえている間に、ネスはマリオの正面に立つと、手に握られたハリセンを取り上げた。
「気をつけろ、気分はブルー! そいつ、誰を突っ込むか分からねえ!」
トゥーンは真剣な顔付きで告げて。
……ちなみに、一応このハリセンに害は無い。戦隊ごっこのストーリーを面白くするべく、嘘を吐いているだけだ。
「さて。……赤飯レッド」
「さっさとトドメを刺しちゃって!」
二人に笑いかけられ、ディディーは格好をつけて前髪を掻き上げると、ネスに変わってマリオの正面に立ち、そして。
「必殺!」
勢いよく両手を振り上げると。
「何か分かりやすいしいつものパターンだけどお約束なので避けられないぜ! 攻撃ぃぃ!」