戦隊ごっこ



「何か言われてるぞ」
「えっ?」

遅れてエックス邸から出てきたルイージに、マリオが小さく笑みを溢してそう告げるも、事を理解出来ずにルイージは疑問符を浮かべては小首を傾げて。

マリオは短く息を吐き出すと、懐より愛用のハリセンを取り出し、子供組に向けるとまるで悪役のように高らかに笑って。

「今日こそ俺様のこのハリセンで、叩きまくって真っ赤にしてくれるわああ!」
「兄さん……」

意外と乗り気なマリオに呆れるルイージ。

一瞬たじろぐ子供組だったが、ディディーが横目でピチカに合図を送ると、ピチカは頷き、唐突に空を指差して。

「あっ! 布団が吹っ飛んだぁ!」
「馬鹿、それは掛け布団ー」

すかさずトゥーンが棒読みでツッコミを入れるが、間もなく静寂が訪れて。

その時、居ても立ってもいられなくなったマリオが目を光らせ、駆け出した。

「ツッコミに……」

飛び上がり、ハリセンを翳しながら。

「なってなああい!」
 
 
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