ぷにぷにっ!



「な、何かありが」

言い切る前に、頭をウルフに拳で軽く打たれ、ルーティは両手で頭を押さえながら涙目になってその場に屈み込む。

「うぅ……」
「ったく。さっさと部屋に戻るぞ」
「はぁい」

相変わらず冷たい態度のウルフにたじたじになりながら、ルーティは立ち上がってスカートを手で叩き、埃を払う。

「あ、……でも」

ルーティはウルフの服の裾を掴んで。

「隠れながら歩いていい?」
「ったく」


――それにしても。

部屋に戻ってくると、ウルフはベッドに腰掛けて煙草を吹かせていた。ルーティはクローゼットを開き、着替えを探して。

「どれにしよっかなぁ……」

ごそごそと着替えを探しているルーティのスカートが、ひらひら揺れて見えそうで見えない。ウルフは目を逸らして。
 
 
7/10ページ
スキ