冷たい瞳に恋をする
突然の愛の告白。
しかもユウにとってそういったものは生まれて初めてだったので、硬直してしまい。
「ど、何処が……」
ユウは微かに顔を引き攣らせながら。
「それならたくさんあるぞ! 呆れて溜め息を洩らす姿も、静かに寝息を立てる無防備な姿も、苛立って舌打ちをしたり、冷たい瞳で睨み付ける姿も、とにかく全部!」
リオンは息継ぎ無しでそこまで言い終えると、引き離されまいと胸部に腕を回して。
「でも、やっぱり一番は笑顔が好きだ」
無邪気な笑顔。
不覚にも、胸がときめいてしまったユウは動揺しながらリオンを突き飛ばして。
「っ調子に乗るなよ! お前はただの忠実な犬で、パートナー以下なんだからな!」
落ち着け心臓。
悟られない為に睨み付けては威嚇。しかし、惚れ込んだリオンに効くはずもなく。
「今の目が好きだ! もっと見てくれ!」
「お前……マゾだな」
腰をくねらせるリオンを目に、溜め息を洩らすユウの表情が、一瞬、和らいだ。
end.
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