冷たい瞳に恋をする
「……それにしても」
エックス邸、リビング。
そこにリムとユウは並んで立っていて、ソファーに腰掛けたフォックスはその容姿をじっくりと眺めながら。
「成長したよなあ。あれからもう十四年経つんだっけ……雰囲気変わったよ」
フォックスは懐かしそうに目を細めた。
リムは少し恥ずかしそうに肩を竦めて笑っていたが、対するユウは素っ気なく、腕を組んだままぷいと顔を背けて。
すると、唐突にユウの背後から抱きついたロイは三つ編みの髪を手のひらに乗せながら、笑ってユウの顔を覗き込み。
「髪も伸びたじゃん。女みてえ」
その発言が勘に障ったのかどうなのか、ユウは軽い念力でロイを弾き飛ばし。
「ロイ!」
慌ててロイに駆け寄るマルス。
ふんと鼻を鳴らし、ユウは床に倒れたロイに冷たい眼差しを向けて。
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