萌えって何ですか



リオンが持っていたステッキの先端で床を軽く叩くと、死角となっていた壁からこっそりとルーティがリビングを覗いて。

「ショタ!」
「ルーティ!」
「帰れ」

まだ出てきたわけでもないのに、獣のようにがっつくピーチとフォックスにすかさず突っ込むのはまたしてもファルコである。

「や、やっぱいるのか……?」
「んー。寧ろ増えてるかも」

結局指定された服に着替えたものの、一向に出てこないルーティとスピカ。

そこへ通りかかったのはウルフである。

「おい」
「マジかよ……見せ物じゃねえんだぞ!」
「……おい」
「仕方ないよ。ここは諦めて――」
「無視すんな餓鬼共。退け」

そこは決して邪魔じゃないはずなのに。

ウルフは無視されたことに苛立ったのか、二人の尻を蹴ってリビングへ追い遣った。

ダークウルフもちょうど、振り返って。
 
 
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