PS5争奪戦がまだ華やかし頃に「次のFFはPS5限定らしい」と聞いたときには「随分と博打に出たな」と思いました。PS4の性能がそろそろ限界だったことと、FFはその時々のハードに挑戦するイメージがあったので「なるほどね」とも思ったのですが、いやしかしまだ行き渡っていない、しかも高額なハードで…「売上大丈夫？」と思ってしまいました。

次に、開発チームがFF14と同じ第3開発部ということを知って、「ますます大丈夫？？」と思ってしまいました。勿論、指示を受けて実際に開発に携わる方々は別個でしょうから、そういったことも鑑みてゴーサインを出したのでしょうが、しかしながら吉田P/Dはじめ、上の方々は14もやりつつの16…。14はしかも人気コンテンツ。16が出るのって遅れるだろうなあと想定していました。しかし、これは良い意味で裏切られ、年単位での発売遅延がなかったことは「さすが…」としか言いようがありません。

とはいえ、14の影響というか方向性とも似てくるんだろうなあと思いました。最初に発表されたときに「これぞFF！」という多くの人が言っていたなかで「そうだろうか？」と疑問符を抱きました。色々FFの要素はちりばめられている、クリスタルや召喚獣がキーになっていることも分かる、でも「FFらしさ」とは何だろうか？　14の世界観を「FFらしさ」と思っているとしっくりするものはあるかもしれませんが、私は14のほうがFFのなかでは異質だと思っています。プレイヤー＝ヒカセン視点で語られるストーリーはいっそDQっぽい。「FFらしさ」ってなんでもありのレジスタンス側のイメージくらいしかないです。あと、制作側が力の限りを尽くした作品というイメージもあるかもです。

発表時の登場人物紹介と設定の多さにもくらくら。え、ジョシュア？　ベイグラのジョシュアが育ったらこんな感じになるかも？（しかも女の子だと思っていた）なんて思ったり、事前に把握しておかなきゃならない（と思っていた）設定や背景が多すぎるよ！　発売直前レポートやトレイラーはとても興味深く思いましたが、当時の私が「絶対にこれプレイしたい！」と思うほどではありませんでした。「興味…少しはあるけどしないね」てな感じでした。その頃はシアトFBLを楽しみつつ、具合の悪くなったねこの看病で忙しく、さらに資格試験の勉強で頭がいっぱいだったので、FF16にリソースを割く余裕はありませんでした。

…それなのに、年末になって会社から慰労金という名の些細な賞与をもらって、FF7RB（リバース）の圧倒的なボリュームとPS5ほしいなあというぼんやりした欲でツインパックとPS5をゲット。でもすぐにプレイはできない。…YouTubeを見るのとシアトFBLを眺めるのもなあと思ったところにFF16デラックスエディションにセールが。飛びつきました。年末のことでした。

そこからは土日祝でぼんやりのんびりプレイ。週末にしかプレイできないので、操作もシナリオも忘れる。どうやればいいんだっけ？とアレテ・ストーンで操作確認して、ついでにハルポ先生とヴィヴィアン女史に話の流れを確認して…アクティブタイムロアの存在なぞ知る由もなく、よたよたと進めました。フォロワーさんに「クリアして考察を書いてください！」と言われたのも原動力でした。

のんびりしたプレイが「ん？」と加速したのは、色々ツッコミをしたくなるクライヴさんが壮年期になってさらにストーリーが進んで、ロザリスにおける対フーゴあたりからかな？　そして「いやそろそろ追いかけっこ止めようよ」とクライヴとジョシュアに思いながらも、同時進行で進むディオン（アナベラサイドともいう）の話。「え、こっちのほうが興味がある」と思ったところでの「慟哭の空」。なっがい召喚獣合戦は心底疲れましたが（意図は分かる、分かるが長い）、ここらへんのエピソードからごろごろと…全体的に物語中盤から加速していくFFの「転」に入ったなと思いました。本当は鉄王国についてももっと詳しく描いてほしかったなあなどとも思うのですが。バイロン叔父さんとの再会は勿論大好きです。TGSで作中劇を再現してくださった内田夕夜さんに感謝。

やはり平日にプレイはできなかったのですが（ヘッドホン持ってなかったから夜に音量も上げられなかったのも要因）、何やら2月中旬にFF16オンリーがあるらしい、そして私も何かアウトプットしたいー！と思うものが出てきて来たので、2月上旬にサブクエコンプでリスキーモブは若干残した状態でクリア。
その勢いでバババと書いたのが「許されるということ」という話。FF16の終盤でディオンとハルポ先生の流れを見ているうちにFF7ACのクラウドとヴィンセントのやり取りを思い出しまして、そうして書きました。
あとはジェットコースターです。スターターピストルが鳴り響いたようにも思えました。pixiv解禁し、素敵作品にうっとりしつつ、あれやこれやと書くように。テラディオを。だってディオンが美味しいところ全部持っていくから！　根こそぎ！

実はプレイ前にクラジルは読んでいました。なんとなく、だったのですが、よく登場する人物にタルヤ先生とミドとマダムがいて、それぞれ実際に出会ったときと印象が違ったので驚いたというのはこれは余談。

面白かった！ハマった！というゲームでは実はないのですが、こういうのが一番（良い意味で）タチが悪いのです。私にとってはFFTもベイグラも若干そうです。ハマったーとなると、原作そのもので満足できてしまい、余韻は消えるのですよね。満足満足おなかいっぱいとなる。面白くてハマって二次創作もたくさん読んだけど書かなかったのはFF15と十二国記かな、あれは読み専で過ごしました。

FF16で一番感動したところどこよ？と言われれば、30分流れ続けたスタッフロールかも。最初はじっくりと、次第にぼーっと見ていたのですが、「この物語を紡ぐのにこれだけの人が携わって、そうしてできた結晶＝クリスタルなんだ」と思うと、妙にじわじわ感動したというか。

最後に、16は大人のためのFFと吉田Pが言っていましたが、召喚獣合戦の派手さ具合とか、演出の仕方とか、そういった面かなーと思っていました。「大人になってしまった（特に男の子）人がまた楽しめるものを」という方向性なのかしらと。
しかし、そうではなくて、「大人になって様々なしがらみや感情・思考の変化を持ったからこそ実感できる話」なのかな、と今では思っています。なので、若い人にも（若い人にこそ）プレイしてほしいし、クライヴ達の思考回路の複雑さに焦れてほしい。そうして、10年後くらいに「あ」と思い出すこともあるかも？　そうなったときに、自分だったらどうするか考えるよすがになるかもしれないと思うと、興味深いです。

追記：
これからもFF16を好きでいると思います。テラディオについても、作品自体も。DLCは実は未プレイでそういった意味では穴ぼこ空いている状態なのですが、まあそれはそのうち…。そういえばDLC2のバトルディレクションを担当していた鯨岡さん（ディシディアの人）がPAX EASTで「最も印象に残っている関わったゲームは？」という問いに、周りの圧に負けずに「ディシディア！」と答えていたのがとてもよかったです。
あと、先日のTGSでMCいないのそういえば面白かったな、と思い出しました。幻水のトークショーではMCいたのですが、FF16トークステージは吉田さんと前廣さんが進めて、語る話す進める…なかなか異様な光景でございました。TGSは初参加でしたが、何か予感めいたものもあって（電車一本で行ける幸いさもあって）行きましたが、とてもよかったと思います。配信もありがたかった。最後の写真撮影で自分がめっちゃ映り込んだらしいので、それはまだ見られていないです（倒）。撮影がモルボルさんだったのが驚きでした。

以上、長々と書きましたが、FF16の印象変遷についてでございました。ここまで読んでくださった方いらっしゃるかな…？　いたとしたら、ありがとうございます！